全日本広告連盟は4月15日、地域の優れた広告コミュニケーション活動を称える第4回「鈴木三郎助全広連地域広告大賞」の結果を発表。113作品の応募の中から、最優秀賞およびキャンペーン部門賞に、佐賀県による「ゴジラ対(つい)サガ」が選出された(推薦協会:福岡広告協会)。
佐賀県は歴史、グルメ、エンタメなど多くの魅力がある一方で、その魅力が国内においても十分に伝わっておらず、県ならではのプロモーション方法を模索していた。
その最中、県のかたちがゴジラとほぼ同じであることを発見。2024年はゴジラ生誕70周年の記念イヤーだったこともあり、ゴジラを世界初の「かたち観光大使」に任命することを決めた。大使に任命する動画・ビジュアルを公開するとともに、ゴジラと県知事でPR発表会を実施。動画、ポスター、SNS、イベント、SPツール、OOHと幅広く施策を展開した。
例えば、ケルヒャージャパン協力のもと、佐賀県内の岩屋川内ダムの壁面をキャンバスに、高圧洗浄機を用いたゴジラの巨大アートを制作。そのほか、県庁展望ホールでのインスタレーションやスタンプラリー、グリーティングイベントなどを展開した。
これらの取り組みが功を奏し、メディア露出広告費換算は約11.5億円、Xのリーチ数は約4900万件、岩屋川内ダム来場者数は約2カ月で2万1696人(前年比400倍)を記録するなど大きな成果を生み、県の魅力を発信することに貢献した。
審査にあたっては、「かたち」という共通点に絞る大胆かつユニークな企画に振り切り、勢いとスピード感のあるコミュニケーション設計で話題を喚起し、目標である観光客誘致という成果を大きくあげた点が高く評価されたという。
岩屋川内ダム壁面に描かれたゴジラのアート
TM & © TOHO CO., LTD. 提供:ケルヒャー ジャパン
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本賞は、2021年度まで「全広連鈴木三郎助地域キャンペーン大賞/クリエイティブ大賞」として15回にわたり開催されてきたが、2022年度から名称を「鈴木三郎助全広連地域広告大賞」と変更し、内容をリニューアルした。
地域の産業・経済・文化スポーツに関する広告活動を通じて、日本各地の地域活性化に貢献した優れた広告コミュニケーション活動を顕彰することにより、地域活性化を促進することを目的としている。
贈賞は5月15日、第73回全日本広告連福井大会の式典席上で行われる。
入賞作は以下の通り。