BOVAオンライン動画部門グランプリ受賞作 視聴者を騙すための徹底した裏台本

ブレーン主催オンライン動画コンテスト「BOVA(ボバ)」(第12回)。今年度からは、3分以内の動画を募集する「オンライン動画部門」と、SNSなどでの展開を目的とした縦型のオンライン動画に限定し一般公募する「縦型動画部門」の2部門での開催となった。

5月1日に受賞作が発表となった「オンライン動画部門」でグランプリを受賞したのは、トレンドマイクロの課題作品「彼らは彼らで」。チームメンバーが制作の裏側を振り返る。

オフィスの廊下で電話をかける主人公の青年。彼は日々の業務に向かい合い、時に上司や先輩に励まされ、時に同僚と衝突しながらも、徐々に成果を上げはじめる。

「オンライン動画部門」でグランプリを受賞した「彼らは彼らで」。
「オンライン動画部門」でグランプリを受賞した「彼らは彼らで」。
「オンライン動画部門」でグランプリを受賞した「彼らは彼らで」。

連日の激務の合間、夜景を眺めながら煙草を一服。束の間の休憩を終えて仕事に戻り、電話をかける。電話口からは「もしもし」と高齢者の声が聞こえてくる。「もしもし、ばあちゃん? オレ、オレ」と呼びかける青年。瞳に狂気を宿したかのような真顔で、「ちょっとおカネが必要でさ」と続く。その表情に、「奴らは奴らで、必死です。」というテロップが重なる。そして、「本気の詐欺に、本気の対策。」という警告が映し出される――。

「オンライン動画部門」でグランプリを受賞した「彼らは彼らで」。

「オンライン動画部門」のグランプリを受賞したのは、ADKマーケティング・ソリューションズの今井俊希さんとシースリーフィルムの潮一希さん、Reservoirの橘潤樹さんが中心となり制作した応募作「彼らは彼らで」。目標を叶えるためにひたむきに頑張る爽やかな成長譚と思いきや、ラスト数秒で実は主人公が詐欺グループの一員だったという事実が浮き彫りになる衝撃作だ。

業界歴10年を超えた、同世代3人のチームによる挑戦。プロデューサーの潮さんは「はじめは一人で応募しようかと考えていましたが、監督を務めた橘さんとたまたま仕事をする機会があり、橘さんから『一緒にやりましょう』とお声がけいただきました」と振り返る。

その後、橘さんが以前から親交のあった今井さんを誘ってチームを結成した。しかし、結成の時期は2024年12月。当初の締切だった2025年1月14日が間近に迫っていたこともあり、制作は急ピッチで進んだ。

写真 人物 潮一希さん(シースリーフィルム)、橘潤樹さん(Reservoir)、今井俊希さん(ADKマーケティング・ソリューションズ)。

潮一希さん(シースリーフィルム)、橘潤樹さん(Reservoir)、今井俊希さん(ADKマーケティング・ソリューションズ)。

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