最高気温35度以上の猛暑日が記録的に続くなど、2024年の夏は酷暑だった。日本気象協会によると、2025年も昨年に迫り気温が高くなると発表されている。気温が高まるとスポーツドリンク・ビール・氷菓・制汗剤など夏商材の売り上げや観光・レジャーの賑わいなどに大きな影響を与える。また労働安全衛生規則の改正で、2025年6月1日から職場内での熱中症対策が義務化された。屋外作業や高温環境下で従事する労働者の安全確保や健康管理が必要となる。こうした中で各社、商品開発や広報、販促などに工夫している。酷暑対策・熱中症対策に取り組む各社を紹介していく。
塩分補給を訴求ポイントに
森永製菓はカップ入りかちわり氷「アイスボックス」の新商品を6月16日に発売する。水分補給やクールダウンだけでなく、汗で失われる塩分を補給できる「アイスボックス<ソルティライチ>」だ。同社は、2017年から官民一体プロジェクトの「熱中症予防声かけプロジェクト」に参画し、また2024年からは複数の建築現場に「アイスボックス」を提供してきた。こうした経緯から同商品を開発した。
また森永製菓は、2025年3月に商品のブランドを横断した新プロジェクト「おかしな暑さ対策しちゃう課」を発足している。「アイスボックス」のみならず、「inゼリー」「inタブレット」「冷やし甘酒」といった商品を通じて、暑さ対策をサポートしていく。
同じく「熱中症予防声かけプロジェクト」の活動を応援する湖池屋は、酸味系ポテトチップス「すっぱムーチョ」に同プロジェクトのロゴをあしらった限定パッケージを6月2日から販売している。この取り組みは2023年から続いている。
暑さやジメジメで食欲が減退する夏は、食欲増進を目的に“酸味”の需要が高まる季節でもある。そのようなタイミングに、ブランドとの親和性も高いことから取り組みを始めた。