カンヌで拍手喝采を浴びた映画「8番出口」 映像制作や広告で見せた「原作愛」

「親しみやすさ」と「奇妙さ」を両立させるクリエイティブ

6月に発売される「Nintendo Switch 2」への期待が高まる中、「カンヌ国際映画祭」開催中の5月19日、インディーゲーム「8番出口」の実写映画が流れ、会場は盛り上がりを見せた。地下鉄通路という身近な場所で異変が起こる内容の同作は、全世界で累計140万ダウンロードを突破。映画祭では2300人の観客から8分間にわたる拍手喝采を受けた。

8月29日の公開に向けたポスターや特報映像では「地下鉄で迷う」という馴染みのある状況による「親しみやすさ」や「奇妙さ」といった独特の魅力をいかに表現するかが問われたという。

実データ 地下鉄のサインの黄色をキーカラーとした劇場ワイドバナー

地下鉄のサインの黄色をキーカラーとした劇場ワイドバナー

原作はインディーゲームクリエイター「KOTAKE CREATE(コタケクリエイト)」。当初はPCプラットフォーム「Steam」にて2023年11月末に発売され、その後、「Nintendo Switch」、「PlayStation 4/5」、「Xbox Series X|S」といったマルチプラットフォームで展開された。2024年には続編「8番のりば」も発売された。

映画のキャストには二宮和也や小松菜奈などが名を連ねる。二宮は、無限ループする地下通路で8番出口を探し続ける「迷う男」を演じる。3月28日に公開された特報映像では、異変が起こる地下通路を歩く二宮の姿が描かれている。ポスタービジュアルは、黄色い背景に数字の「8」が大きく配置され、その中から通路を歩く二宮の姿が見える印象的なデザインとなっている。

これらのビジュアルは、作品タイトルにも含まれる「8」のほか、8番出口を象徴する「ループ」という概念を視覚的に表現しているという。アートディレクターの佐野研二郎氏(MR_DESIGN)は「地下鉄のサインの黄色もキーカラーになると考え、そのシンボルと二宮さんの関係性をまとめて表現した」と語る。

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